胃カメラ検査(内視鏡検査)について
院長の杉山です。
当院も昨年11月に開院して、あっという間に3ヶ月が経過しました。今まで当院で多くの患者様に胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査を受けて頂き誠にありがとうございます。スタッフも内視鏡検査に慣れてきたため、検査をスムーズにすすめることができるようになってきているため、これからはより多くの皆様に内視鏡検査を受けていただけるよう内視鏡検査枠を増やしていこうと思います。また、来て頂いた患者様が「笑顔」になっていただけるように今後もスタッフ一同努力していきますので宜しくお願いいたします。
今回は胃カメラ検査について患者様から質問されることも含めて説明させていただきたいと思います。
よく質問されることとして「どんな検査ですか?」、「バリウム検査ではだめですか?」、「苦しくないですか?」、「鼻からと口からではどちらが楽ですか?」、「鎮静剤を使った方がいいですか?」などがあります。
まず胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)とは、細いカメラを鼻もしくは口から挿入し食道・胃・十二指腸を直接観察する検査で、がん・ポリープ・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・ピロリ菌の感染などの病気がないかを詳しく調べることができます。
- ①バリウム検査との違いについて
バリウム検査は胃粘膜の模様を影絵のように写し病変がないかを確認する方法です。胃カメラ検査は直接胃粘膜を確認するため早期がんなどの微小な病変も発見することができること、異常があればそのまま生検(組織を採取)し病理検査を行うことで診断まで結びつくことから胃カメラ検査の方がより精密な検査といえます。
重篤な合併症としてはどちらも誤嚥、消化管穿孔(胃腸に穴があくこと)などがありますが、意外に胃カメラ検査よりもバリウム検査の方が発生頻度は高く、さらにバリウム検査の場合は合併症が起こった際に重篤な状態となりやすいです。
以上のことから、個人的にはバリウム検査よりは胃カメラ検査の方が良いと思っております。
しかし、「胃カメラ検査は苦しい」、「初めてだから不安だ」などで検査に踏み切れない方もいると思います。では、その他の質問についても説明させていただきます。
- ②胃カメラは苦しくないですか? 鼻からと口からの胃カメラの違いなどについて
当然内視鏡(胃カメラ)を胃の中に入れるので、楽ではない検査ではあります。しかし、なるべく楽に検査を行うことは可能です。
まず胃カメラ検査がなぜ苦しいかというと、大きく分けると胃カメラが喉元を通っている時の違和感、嘔吐反射など、胃の中に空気を入れていくことでの検査中のお腹の張り、胃カメラを奥へすすめていくときの押されるような感じなどがあります。
この中で喉元の違和感、嘔吐反射が特に強い人は胃カメラが苦しいを感じる方が多いです。そのような方には鼻からの内視鏡検査(経鼻内視鏡検査)をおすすめします。嘔吐反射は舌の奥が内視鏡スコープで圧迫されることで起きますが、鼻からの内視鏡の場合は内視鏡が入っていく角度がゆるやかになるため舌を圧迫するのを軽減させることができるため嘔吐反射が起こりにくくなります。また経鼻内視鏡は経口内視鏡と比べると太さが約半分となるため、喉への刺激も少なく比較的楽に検査を受けることができます。では経鼻内視鏡検査にはデメリットはないかといわれると、鼻が狭い人は挿入できない、鼻血がでることがある、経口内視鏡と比べると画質が悪いなどがあります。経鼻内視鏡ではスコープが細いため画質が悪いと言われておりますが、最新の経鼻内視鏡では以前と比べると格段に画質が良くなっております。私は今まで多くの病院で様々な種類の内視鏡を使用してきましたが、最新の経鼻内視鏡であれば従来の経口内視鏡よりも画質がよく、胃の中を詳細に観察することができます。
以上より、個人的には鼻が狭い人、鼻血が出やすい人以外は経鼻内視鏡検査をおすすめします。また当院では内視鏡検査前の喉の麻酔をしっかりとさせていただき、検査にも二酸化炭素送気(通常の送気と比べると体内へと格段速く吸収されるため、検査中・検査後の腹部の張りを軽減することができます)を使用するなど、患者様が少しでも楽に検査を受けていただけるように工夫をしております。
- ③鎮静剤の使用について
当院では希望される方は、静脈注射での鎮静剤を使用して検査を行っております。効き具合には個人差はありますが、鎮静剤を使用することで眠った状態で検査を受けて頂くことができます。知らない間に検査が終わっていたという方も多く、実際に当院で検査を受けていただいた患者様の感想も院内に掲示してありますので興味がある方は一度ご来院ください。
鎮静剤のデメリットとしては、効きすぎてしまうと呼吸抑制を起こしてしまうこと、また検査後にも鎮静剤の効果が残ってしまうことです。呼吸抑制に関しては、私は今まで検査時の鎮静剤使用経験が豊富であるためそれぞれの患者様にあった安全な量の鎮静剤使用を心がけておりますので安心してご相談ください。しかし、鎮静剤使用した場合は検査後も効果が残ってしまうため、検査後1時間程度は院内のリカバリールームで休んで頂き、検査日は帰宅後もお車の運転はできませんのでご注意ください。
- ④最後に
楽に胃カメラ検査を受けて頂く方法として、胃カメラ検査時間を短くすることが重要です。検査時間が短ければ患者様の苦痛を軽減することができます。しかし、これに関してはデメリットもあり、検査時間=胃の中の観察時間であるため検査時間が短くなればしっかり観察できず検査の質が落ちてしまうこととなります。せっかく受けるのであれば質の高い検査を受けた方がよいと思いませんか。では質の高い胃カメラ検査とは検査時間が長ければよいわけではなく、熟練した内視鏡医による最新の内視鏡スコープでの丁寧な内視鏡検査が重要だと思っております。私自身も今まで何度か内視鏡検査を受けておりますが、最新の内視鏡検査が導入されている病院で内視鏡専門の先生に検査をお願いしております。内視鏡検査にかかる費用はどこでもほぼ一緒ですので私自身は質の高い内視鏡検査を受けるようにしております。
当院は最新の内視鏡システム、スコープを導入しており、院長は消化器内視鏡専門医・指導医・評議員の資格を有しこれまで多くの内視鏡検査・治療を行ってきた経験を生かして、患者様により質の高い内視鏡検査を受けていただけるように日々努力しております。
内視鏡検査について疑問・ご興味がある方はどんなことでもお気軽にご相談ください。